北欧での暮らし

教育のあるべき姿?コペンハーゲン日本人補習学校で働いて感じていること

スウェーデンのヨーテボリにある日本人補習学校が利用している成人向け学校(Vuxenskolan)の校舎を2017年9月に撮影したものです。

北欧の日本人コミュニティへの貢献を

日本人の先輩方に甘えてしまわないよう、2014年にデンマークへ移住してきてしばらくはデンマークにある日本人コミュニティとあえて距離を取っていました。

2017年に大学院(IT University of Copenhagen)を卒業し、現地採用での仕事も経験できたので、現在はなるべく積極的に関わらせていただこうと思っています。

その一環として、昨日久しぶりにコペンハーゲンの日本人補習学校の代講に行ってきました(以前は小学校2年生の担任をしていましたが、現在は代講として関わらせていただいています)。

2年前にはスウェーデンのヨーテボリで行われた北欧地区補習授業校の講師研修会に参加する機会をいただいたので、その時にお伺いした話も踏まえて、改めて代講で感じたことをまとめてみます。

正解のない日本人補習学校の運営と教育方針

コペンハーゲンに限らず、ストックホルム、ヨーテボリ、オスロ、ヘルシンキのそれぞれの日本人補習学校において、一文化(両親ともに日本人)よりも二文化(両親のどちらかが日本人)の子ども達の方が多くなっています。

ただ、各学校によって「授業料の設定(例:低く設定する代わりに保護者からのサポートを要請する)」や「日本の学習指導要領にもとづいた進度で授業を行うかどうか(例:ドロップアウトを防げるかは子どもと家族の努力次第)」など、運営の仕方は様々です。

コペンハーゲンでは現地校の校舎を借り、日本の学習指導要領に基づいて、土曜日の午前中に国語と算数を2時間ずつ教えています。

ヨーテボリでは子どものレベルに合わせるという方針のもと、金曜日の夕方に国語と算数を1時間ずつ教えながら、月に1回、土曜日に教会を借りて書道や音楽、理科などを教えているそうです(2017年9月の情報)。

一文化の家族で日本に帰国することが決まっている親御さんと、二文化の家族で少しでも子どもに日本語と日本文化に触れて欲しいと願う親御さんでは求めるものが違うので、期待値の調整が難しいことは間違いありません。

一人の教師としてできること

補習学校に来ている子ども達は、みんな楽しそうで元気いっぱいだな〜と、久しぶりに代講に行って改めて感じました。

平日の学校に行きながら、宿題をして(特に漢字テスト!)土曜日にも学校に来るなんて、子ども達もご両親も大変だと思います。

子ども達は基本的に日本語で話そうとしていますが、学年が上がるごとにデンマーク語で話している子が増えていくような印象です。

そんな日本語が母国語ではない子ども達に、楽しいと思ってもらえる授業を提供すべく、Sharon Bowman氏の著書「Training from the Back of the Room!」で紹介されている「4C」というフレームワークを今回の代講にて意図的に使ってみました。

(「Training from the Back of the Room!」は本業にて現在進行形で学びながら実践を重ねているので別の機会に詳しくまとめます)

4CというのはConnections、Concepts、Concrete Practice、Conclusionsの頭文字で

  1. すでに生徒が知っているものとこれから学ぶものをつなげ
  2. 新しく学ぶことを最低限必要な形で伝え
  3. 実際にそれを使ってみてもらい
  4. 最後に学んだことを振り返る

という学びのフレームワークです。

残念ながら、最後の振り返りを行う前に、子ども達は疲れ果ててしまいました。。。

一人の教師としてできることは、自分に出来るベストな授業を提供することしかありません。まだまだ経験も浅いので、改善の余地がたくさんあることを改めて感じることができました。

そもそも教育はどうあるべきなのか

北欧の教育システムが素晴らしいことは、日本のメディアでも定期的に紹介されています。

これらの短い動画が伝えている情報が、すべてではありません。

デンマークでもSU(学生援助金)だけでは暮らせず、SUローンという返済が必要な日本の奨学金のようなものを利用している人がいます。

都市部の住居不足に加えて、裕福な親が子どものために大学の近くにアパートを買って、安い賃貸料で貸し付けること(forældrekøb)も、その是非がたびたび議論されています。

また、お金を稼ぐためだけではなく、卒業後に仕事につくために、大学院の授業よりもインターンシップや企業でのアルバイトを優先している学生も実際にたくさん見てきました。

本業で成人向けのマーケティングに関するトレーニングをご提供しつつ、日本人補習学校のお手伝いもさせていただいている中で、「これからの時代をつくる子ども達にベストな教育とは何なのだろう」と、改めて考えさせられる週末です。

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