3つのポイントで考えるデンマーク人?批判的思考をできるだけ簡単に解説してみた

『物事が上手くいかない場合や、悩んでいる時は、物事に対する姿勢や態度を変えてみたら良いかもね。そうすると、見えてくることがあるかもしれないよ。 』

こんにちは!留学中に出会ったデンマーク人のこの言葉をきっかけに、視点を変えて物事を考えるようになった林です。このような考え方がデンマーク人の批判的思考に関連しているのではないかと思うようになりました。今日は、その思考を3つのポイントに整理しながら、私なりに考えてみます。

日常生活で生きる批判的思考

批判的思考に関する詳しい説明の前に、私がこの思考で身につけた2つのことをお話しします。

1つ目は、何も考えずに人の話を信用するのをやめたことです。例えば、テレビのワイドショーで有名な社会評論家が「休まず働く人は、まじめですよね」と主張したとします。休まず働くことはまじめの基準になるのでしょうか。また、やるべき仕事を終えて、1ヶ月近くの夏休みをとるデンマーク人はまじめではないのでしょうか。このように、他人の話を聞き1度立ち止まって、「それって本当に正しいのかな?」と考えるようになりました。

2つ目は、自分とは異なる考え方を認めることです。私にとって「批判的である」ということはむやみに人を疑うことではありません。「どうして、この人は自分とは違う意見を持つのだろう?」、「どういう経緯でこのような考えを持つようになったのだろう?」と他人の立場から物事を考えることです。つまり、批判的思考を通して異なる価値観の存在を認めるのです。

以上2つのことを私は学びました。では、批判的思考の説明に入っていきましょう!

批判的思考って何?

批判的思考とは、

①証拠に基づく論理的で偏りのない思考
②自分の思考過程を意識的に吟味する省察的(リフレクティブ)で熟慮的思考
③より良い思考を行うために目標や文脈に応じて実行される目標指向的な思考

と定義されています。[1]

これだけ聞くと、何のことかさっぱり分からないですよね。少なくとも「批判」という言葉から感じられるような、むやみに他人の意見や考え方を疑って、あら探しをすることではなさそうです。以上の3つの定義を1つずつ解説します。

ワタシもワカル、アナタもワカル

①証拠に基づく論理的で偏りのない思考

「証拠に基づく」ということは、ある物事を自分と他人が同じように理解できる状態にすることです。「林くんの英語の成績が伸びた。理由は、前回60点だった英語の定期テストが、今回95点まで上がったから。」という例を考えてみます。誰もが35点(=95−60)英語の点数を伸ばしたという事実を確認することができます。また、これらの数字が「林くんは英語の成績が伸びた。」という主張を裏づけています。

一方、「林くんは英語の成績が伸びた。理由は、定期テストの難しい問題を解けたから。」という例はどうでしょうか。これは誰もが等しく理解できるような証拠に基づいていません。まず、難しい問題を解けたことが、林くんの成績の伸びにどのように影響しているのかはっきりしません。次に、「難しい問題」の解釈が人によって異なります。同じ問題を解いても、ある人は難しく感じるかもしれませんが、別の人は簡単だと思うかもしれません。

じっくり、振り返りながら考える

②自分の思考過程を意識的に吟味する省察的(リフレクティブ)で熟慮的思考

省察的とは自分自身の発言や行動を省みることで、熟慮的とは物事を深くと考えることです。つまり「省察的で熟慮的思考」とは、自分の言動に関するプロセスを振り返りながら、ある物事についてじっくりと考えることを意味します。

「林くんの英語の成績が下がった。理由は、前回95点だった英語の定期テストが、今回60点まで下がったから。」という例を考えてみます。自分自身の行動を振り返るような思考をした場合、「前回のテストの結果に満足して、今回はテスト対策をしなかった」、「全ての英語の授業で寝ていた」などプロセスからテストの点数を35点下げた原因を発見することができます。

また、周りの人の意見や自分自身が持つ固定概念のみに囚われず、物事を深く考えようとする態度が熟慮的思考のきっかけになります。例えば、誰かが「北欧の人たちは肌の色が白く、背が高い」と言ったとします。実際に、北欧には中東やアジアからの移民して、デンマークやスウェーデンの国籍を持つ人たちがいます。そして、「背が高い」という基準が明確ではありません。このように、一般論や固定概念を考え直すことができます。

自分の考え方を変える考え方

③より良い思考を行うために目標や文脈に応じて実行される目標指向的な思考

物事には一連の流れがあり、結果だけが突然現れることはありません。例えば、英語力を上げるために、まずは今の自分の学力を把握する必要があります。また、「1ヶ月のTOEICで950点を取るんだ」というように具体的な目標設定も必要です。英単語を知らない状態でこのような目標を立てることは、自分の能力や目標達成期限などの文脈(物事の背景)を無視しています。

目標や文脈に対応するために、「まず、学校の文法テストで満点をとる」というように自分の実力を考慮した達成可能な目標を設定する必要があります。そこから、「次に、文法の問題が分かるようになって、TOEICで500点以上を取る」、「そして、長文が時間内に読めるようになって800点を目指す」など「TOEICで950点」という最終的な目標を達成するまでに、1つ1つの手順や小さな目標クリアしていきます。

このように物事の背景をしっかり分析した後に、設定した手順や目標を実行していくことが、物事を大きく飛躍せずに細かく、深く観察するための思考を育むと思います。これが、「より良い思考」の1つの例になるかもしれません。

まとめ

批判的思考に関する最初の3つのポイントを以下のように簡単にまとめてみます。

①ある物事を自分と他人が同じように理解できるように考えること
②自分の言動に関するプロセスを振り返り、じっくり考えること
③物事の流れを理解して、目標や手順に基づいて考えること

皆さんは批判的思考について、どのように考えていますか。また、そのような思考は日常生活にどのように生きると思いますか。次回以降のエミールさんの動画や他のレギュラーゲストとのトークで、デンマーク人の批判的思考について皆さんと一緒に考えていきたいと思います。お楽しみに!

参考記事(別メディアへのリンクです)

[1] Kusumi, T. (2016). 『良き市民のための 批判的思考』 特集 批判的思考と心理学,5-8.

エミールさんの動画はこちら

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